外まわり

雨漏りの応急処置を自分でやる方法|室内・ベランダでできること

天井のしみから落ちる雨水をバケツとタオルで受けている室内のイラスト

先に結論

  • 自分でやるのは室内の被害を広げない処置と、ベランダ・サッシまわりの足元でできる範囲まで
  • 屋根には上らない。脚立・はしごの転落事故は屋根の修繕中にも多く起きている
  • 防水テープは乾いた面に、水の流れの下から上へ貼る。サッシの水抜き穴はふさがない
  • 台風などで壊れて起きた雨漏りは火災保険の対象になりうる。契約前に保険会社へ確認し、「保険で無料」という勧誘には乗らない

作業カード

難易度
初心者でもできる
作業時間
室内の養生は30分〜1時間
人数
1人でも可(家具の移動は2人)
自分でやる費用
数百円〜5,000円程度(バケツ・シート・防水テープ)
業者に頼む費用
応急処置1万〜5万円前後、本修理は数万〜数十万円以上

※費用は材料のグレードや地域、現場の状態で変わる目安です。

この記事の目次

使う道具

  • バケツ・洗面器(落ちてくる水を受ける)
  • 雑巾・タオル(容器の底に敷いて跳ね返りを防ぐ)
  • ゴミ袋・ビニールシート(床・家具の保護)
  • スマートフォン(被害状況の写真・動画を残す)
  • ゴム手袋・ブラシ(ベランダ排水口の掃除)

用意する材料

  • 防水テープ(屋外用)(乾いた面に貼るタイプが多い。表示を確認)
  • ブルーシート(ベランダや地上の物を覆う用)
  • 養生テープ(室内でシートを仮留めする)
  • 吸水シート・土のう袋(ベランダの吹き込み対策)

天井から水がぽたぽた落ちてきた、窓の下の床が濡れている、ベランダ側の壁紙にシミが広がってきた。雨漏りに気づいたとき、まず考えるのは「今夜をどうしのぐか」と「業者を呼ぶまでに自分で何ができるか」だと思います。

先に結論を言うと、自分でやってよいのは室内の被害を広げない処置と、ベランダやサッシまわりなど足元が安定した場所でできる範囲までです。雨漏りの原因が屋根にある場合でも、屋根に上っての応急処置は自分ではやりません。

自分でやるか、頼むかの目安

場所自分でできること業者に任せること
室内(天井・壁・窓下)水を受ける、家具と床を守る、写真を残す天井材の張り替え、原因調査
ベランダ排水口の掃除、吹き込みの一時的な防止防水層(床面)の補修・やり直し
サッシまわり下枠の掃除、室内側の拭き取り、外側の隙間への防水テープシーリングの打ち替え、サッシの調整・交換
外壁地上から見える範囲の確認ひび割れ補修、シーリング、足場を使う作業
屋根地上から見える範囲の確認のみブルーシート養生を含むすべての作業

費用の目安は、室内の養生だけなら手持ちの道具+数百円〜数千円。業者のブルーシート養生などの応急処置は1万〜5万円前後、原因箇所の補修は数万〜数十万円、屋根の葺き替えなど大きな工事になると百万円を超えることもあります。建物の構造や被害の範囲で大きく変わるため、あくまで目安として見てください。

手順:室内でできる応急処置

ゴム手袋でベランダの排水口にたまった落ち葉を取り除いている手元のイラスト

電気まわりを確認する

照明器具やコンセント、分電盤の近くに水が回っている場合は、濡れた器具に触らず、その回路のブレーカーを切ります。どの回路か分からない、分電盤そのものが濡れているときは無理をせず、電力会社や電気工事店に相談します。

水を受けて跳ね返りを防ぐ

落ちてくる水の真下にバケツを置き、底に雑巾やタオルを敷きます。水滴が水面に落ちて周りに跳ねるのを抑えられます。容器の周りにはゴミ袋を切り開いたものやビニールシートを敷き、養生テープで留めておきます。

家具・家電を移動する

水の落ちる場所の周囲から、家電・布団・本など濡れると困るものを移動します。動かせない家具はビニールで覆います。

写真と動画を残す

天井や壁のシミ、水の落ちている様子、濡れた家財を、日時が分かる形で撮影しておきます。のちに保険会社へ相談するときや、業者に原因を説明するときの材料になります。雨の強さや風向きをメモしておくと、原因の絞り込みにも役立ちます。

手順:ベランダ・サッシまわりでできること

ベランダやバルコニーの真下の部屋、窓の下で水が出ているときは、屋外側の足元で原因が見つかることがあります。

ベランダの排水口を掃除する

落ち葉・砂・プランターの土などで排水口が詰まると、ベランダに水がたまり、サッシの下枠や防水層の端から室内側へ回ることがあります。東京消防庁も台風・大雨への備えとして「側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく」ことを挙げています。雨がやんでいるときに、手袋をしてゴミを取り除き、水がスムーズに流れるか確かめます。

サッシの下枠を確認する

窓の下枠(レール)に水がたまるのは、それだけなら構造上起こりうる現象だとサッシメーカーも説明しています。下枠には水を外へ逃がす仕組みがあり、ゴミで詰まると排水が悪くなります。下枠のゴミを取り除いておきます。

一方で、台風や暴風雨のときは、風圧と雨がサッシの水密性能を上回り、室内に水が入ることがあるとメーカーも案内しています。この場合は室内側で下枠の水を拭き取り、窓下にタオルを並べて受けます。何度も同じ窓から入る場合は、メーカーや業者に相談します。

外側の隙間に防水テープを貼る

サッシ枠と外壁の境目のシーリングが切れている、ベランダの手すり壁の天端に割れがあるなど、原因が足元で見えている場合は、防水テープで一時的にふさぐことができます。

  • 貼る面の砂ぼこり・汚れを落とし、乾いた布で水分を拭き取る
  • 水が流れてくる方向の下側から貼り始め、上側のテープを下側に重ねる(屋根瓦のように重ねると、テープの継ぎ目に水が入りにくい)
  • シワや気泡が入らないよう、手のひらで押さえながら貼る
  • 水抜き穴や排水の出口はふさがない

多くの防水テープは乾いた面が前提です。雨の最中に貼るなら、濡れた面に対応した製品かどうかを表示で確認します。どちらにしても一時しのぎなので、雨がやんだら業者に原因を見てもらいます。

ブルーシートは「足元の物」を守るのに使う

ブルーシートは、ベランダに置いたものや、壊れた窓ガラスの外側を一時的に覆うのに使えます。ベランダでは風であおられないよう、土のう袋や重しで押さえます。ただし、屋根にかけるブルーシートは自分では張りません。

屋根に上ってはいけない理由

雨漏りの原因が屋根だと分かっていても、自分で上ってブルーシートをかけたり、防水テープを貼ったりするのはやめておきます。

消費者庁には、脚立・はしごからの転落事故の情報が437件寄せられ、そのうち転落して頭部を強打し死亡に至ったものが8件ありました(平成26年公表)。事故の発生時の状況は「庭木の剪定」が最も多く、次いで「屋根の修繕」などで、年齢が分かるもののうち50歳以上が7割強を占めています。原因の大半は製品の破損ではなく、バランスを崩したり滑ったりといった使い方によるものでした。

雨で濡れた屋根は滑りやすく、屋根材が割れていれば足場としても不安定です。ブルーシートは風を受けると体ごと持っていかれるほどの力がかかります。応急処置のつもりが大けがにつながるリスクが、得られる効果に見合いません。

「屋根が壊れていますよ」の訪問に注意

雨漏りや台風のあとは、突然訪ねてきた業者に「屋根が壊れている」「このままだと雨漏りする」と言われる場面が起きやすくなります。

国民生活センターによると、屋根工事の点検商法に関する相談は2022年度に過去5年で最も多くなり、2018年度の約3倍に増えています。契約当事者の8割超は60歳以上です。「近所で工事をしている」と訪問し、無料点検をきっかけに不安をあおって高額な工事を契約させるのが典型的な手口として紹介されています。

  • 突然来た業者に、その場で屋根に上らせない
  • その場で契約しない。複数の業者から見積もりを取る
  • 訪問販売での契約はクーリング・オフの対象になりうる
  • 不安なときは消費者ホットライン「188」に相談する

火災保険の対象になりうるケース

雨漏りの修理費が火災保険の対象になるかは、原因で分かれます。

原因保険の扱い(一般的な考え方)
台風・強風などで屋根や外壁が壊れ、そこから雨が入った「風災」として対象になりうる
屋根瓦のずれや外壁のひび割れなど、経年劣化による雨漏り対象外
窓や通風口、建物の隙間からの吹き込み対象外とする契約がある

保険会社のFAQでは、風災で破損した箇所からの雨漏りは風災事故として対象になる一方、経年劣化によるものは支払い対象外と説明されています。損害額が一定以上でないと支払われない契約もあり、補償の範囲や条件は契約ごとに違います。必ず加入している保険会社・代理店に確認します。

日本損害保険協会は、「保険を使えば無料で修理できる」と勧誘する住宅修理業者とのトラブルに注意を呼びかけています。保険金が出ずに修理代を自己負担することになった、解約しようとしたら高額な違約金を請求された、といった相談があるとしています。保険金の請求は加入者が自分でできるので、業者と契約する前に保険会社へ連絡するのが基本です。

業者に頼む目安と費用

次のような状況では、応急処置を済ませたら早めに業者へ相談します。

  • 天井のシミが広がっている、天井材がたわんでいる
  • 雨漏りの原因が屋根・外壁・2階以上の高さにありそう
  • 同じ場所から繰り返し漏れる
  • 台風のあと、屋根材や雨どいの破損が地上から見える

費用は次が目安です。

内容費用の目安
ブルーシート養生などの応急処置1万〜5万円前後
雨漏りの原因調査無料〜数万円(散水調査などは高くなる)
シーリングの部分補修・ベランダ防水の部分補修数万〜十数万円
屋根の部分補修(屋根材の差し替えなど)数万〜数十万円
屋根の葺き替え・カバー工法百万円前後〜

足場が必要になると、その費用が別にかかります。見積もりを比べるときは、原因をどう特定したか(写真や調査結果の説明があるか)、工事の範囲、保証の有無を確認します。

雨漏りは、自分でできる範囲と業者に任せる範囲の線引きがはっきりした作業です。住まいのどこまでを自分でやってよいかは リフォームで自分でできること・できないこと も参考にしてください。

こうなったら業者に頼む

  • 天井に大きなシミ・たわみがある、天井から水が筋になって落ちている
  • 照明器具・コンセント・分電盤の近くが濡れている
  • 雨漏りの位置が屋根・外壁・2階以上の高所にある
  • 雨が止んでも室内に水が出続ける、何度も同じ場所から漏れる
  • 台風・強風のあとに屋根材や雨どいが壊れているのが地上から見える

無理に続けて傷口を広げると、最初から頼むより高くつくことがあります。見積もりは2〜3社から取ると相場がつかめます。

よくある質問

雨漏りを内側から止めることはできますか?
室内側でできるのは、水を受けて被害を広げない処置までです。水は屋根や外壁から入って室内に出てくるため、天井や壁の内側をふさいでも止まりません。むしろ水が別の場所に回ることがあります。
防水テープは雨の最中でも貼れますか?
多くの防水テープは、乾いて汚れのない面に貼ることが前提です。濡れた面に使える製品もありますが、ベランダや窓まわりの足元など安全に作業できる場所に限り、製品の表示を確認して使います。
雨漏りの修理は火災保険で直せますか?
台風などの風災で建物が壊れ、そこから雨が入った場合は対象になりうる一方、経年劣化が原因の雨漏りは対象外です。損害額の条件なども契約で異なるため、修理業者と契約する前に加入している保険会社・代理店に確認します。
突然来た業者に「屋根が壊れている」と言われました。
その場で屋根に上らせたり契約したりせず、家族や複数の業者に相談します。訪問販売での契約はクーリング・オフの対象になりえます。不安なときは消費者ホットライン188に相談できます。

参考にした資料

クレオンDIY編集部

住まいのDIYを「自分でやるか、頼むか」で判断できるように、メーカーの施工説明書や公的機関の情報をもとに記事を作っています。法令や製品仕様が変わったときは記事を更新し、更新日を明記しています。

※本記事は2026年9月28日時点の情報にもとづく一般的な解説です。作業はご自身の判断と責任で行い、製品の取扱説明書・施工説明書の指示を優先してください。電気・ガス・給水装置の工事など資格が必要な作業は、有資格者や指定業者に依頼してください。