壁・天井

壁紙の張り替えを自分でやる手順|失敗しないコツと6畳の費用

新しい白い壁紙をなでバケで壁に貼っている様子と、脚立・壁紙のロール・カッター・定規のイラスト

先に結論

  • 初めてならのりを塗る手間がない「生のり付き壁紙」を選ぶ。6畳の壁でおよそ25m+予備が目安
  • 仕上がりの差は貼る作業より古いクロスのはがし方と下地処理で出る
  • つなぎ目は2枚を重ねて真ん中を同時に切る「重ね切り」。刃は壁に垂直、こまめに折る
  • 天井・吹き抜け・下地のボードまで傷んでいる壁は業者の方が早くて確実

作業カード

難易度
慣れた人向け
作業時間
6畳の壁で1〜2日(はがし・下地処理を含む)
人数
2人がおすすめ(1人でも可)
自分でやる費用
6畳の壁で1.5万〜3万円(壁紙+道具)
業者に頼む費用
6畳の壁で4万〜6万円前後(量産クロス・諸経費込みの目安)

※費用は材料のグレードや地域、現場の状態で変わる目安です。

この記事の目次

使う道具

  • なでバケ(空気を抜きながら壁に密着させる)
  • 地ベラ(カッターのガイド。入隅・天井際・床際のカットに)
  • 竹ベラ(ヘラ)(入隅や廻り縁の際に折り目をつける)
  • ジョイントローラー(つなぎ目を押さえる)
  • カッター(替刃多め)(切れ味が落ちたらすぐ折る)
  • スポンジ・バケツ(はみ出したのりの拭き取り)
  • メジャー・脚立・ドライバー(採寸と高所作業、コンセントプレートの取り外し)
  • パテ・パテベラ・サンドペーパー(下地の段差・穴埋め)

用意する材料

  • 生のり付き壁紙(6畳の壁で約25m+1〜2割の予備)
  • ジョイントコーク(入隅・廻り縁・幅木の隙間埋め)
  • 養生シート・マスキングテープ

壁紙の汚れや黄ばみが気になって見積もりを取ったら、思ったより高かった。自分で張り替えられるなら、その分を浮かせたい。そう考える人が最初に知っておきたいのは、壁紙の張り替えは「貼る」より「はがす・整える」で仕上がりが決まるということです。

壁紙の中でも、裏にのりが塗られた状態で届く生のり付き壁紙なら、のり付けの機械や技術がいりません。ここでは生のり付き壁紙を使う前提で、6畳の壁を張り替える流れを、販売店が公開している施工手順をもとにまとめます。

自分でやるか、頼むか

先にDIYと業者の違いを比べておきます。

項目自分でやる業者に頼む
費用(6畳の壁)1.5万〜3万円(壁紙+道具)4万〜6万円前後(量産クロス・諸経費込み)
時間1〜2日(はがし・下地処理で半日以上)1日程度
仕上がりつなぎ目・入隅に粗が出やすいつなぎ目がほぼ目立たない
向いている場所腰より上に障害物が少ない壁、個室、トイレの壁天井、吹き抜け、階段、下地が傷んだ壁
リスク下地を傷める、のりの拭き残し、材料の買い直し業者選び・日程調整の手間

業者の費用は、量産クロスの張り替えで1㎡あたり1,000〜1,500円前後が一つの目安です。これに古いクロスのはがし・処分費、家具移動、出張費などの諸経費が加わり、狭い範囲だと最低料金が設定されていることもあります。国交省の原状回復に関する参考資料でも、計算例としてクロスの工事単価を**1,200円/㎡**と置いています(事例検討用に設定した単価で、実際の単価はこれより高い場合もあるという注記つき)。

「費用を半分以下にしたい」「多少の粗は気にしない」ならDIY、「来客が多いリビングで仕上がり重視」「天井もまとめて替えたい」なら業者、と分けて考えると判断しやすくなります。

6畳の必要量と費用

必要量の目安

DIYショップRESTAは、部屋の広さ別の目安として6畳で壁約25m・天井約8.5mを挙げています(壁紙の幅は約90cmで計算)。

正確に出すなら、壁ごとに次の式で計算します(壁紙屋本舗の計算方法)。

  • 必要な枚数(巾数)= 壁の横幅 ÷ 壁紙の幅(92cm)※切り上げ
  • 1枚の長さ = 壁の高さ + 切りしろ10cm
  • 必要量 = 1枚の長さ × 枚数

例:幅330cm×高さ240cmの壁なら、4枚×250cm=10m。柄物は柄合わせの分だけ長くなります。壁紙屋本舗は、計算した量に1〜2割の予備を足すことを勧めています。

費用の目安

内訳目安
生のり付き壁紙(量産品)1mあたり400〜500円前後(RESTAの量産壁紙は458円/m)
生のり付き壁紙(デザイン品)1mあたり700円前後〜
6畳の壁(約25m+予備で30m前後)量産品で1.2万〜1.5万円、デザイン品で2万円台〜
道具一式(なでバケ・地ベラ・ローラー等)数千円(セット品あり)
パテ・ジョイントコーク・養生材数千円

合計すると、6畳の壁で1.5万〜3万円がDIYの目安です。量販品の壁紙を選べば下限寄り、デザイン品や道具を買いそろえると上限寄りになります。

手順

重ねた2枚の壁紙を金属の定規に沿ってカッターで重ね切りしている手元のイラスト

養生して、コンセントのプレートを外す

家具を部屋の中央に寄せ、床を養生シートで覆います。コンセントとスイッチの化粧プレートは、細い溝にマイナスドライバーを差して手前に外し、内側のプレートのネジをプラスドライバーで外します。複数外すときは、どこのものか分かるように印をつけておくと戻すときに迷いません。

古いクロスをはがす

壁紙の端(天井際・床際・柱の際)はボンドのようなもので固く付いていることが多いため、先にカッターで切れ込みを入れておくと、関係ない部分まで破れるのを防げます。

一般的なビニールクロスは、表面と裏の紙の2層になっています。表面だけをゆっくりめくると、薄い裏紙が壁に残ります。この裏紙は破らないように慎重に進めます。RESTAの案内では、残った裏紙はのりで貼り直さずに、そのまま新しい壁紙の下地にしてかまいません。

下地を整える

裏紙が浮いている部分は、カッターを壁に沿わせて浮いた範囲だけ切り取ります。軽い浮きなら手で取れます。年数がたった壁は裏紙がきれいに残らないことも多く、その場合は浮いた部分をできるだけはがしてからパテで平らにします。

  • 小さな穴(5mm程度まで):ジョイントコークで埋める
  • 大きめの穴や段差:パテで埋め、乾いたらサンドペーパーで平らにする

採寸して壁紙をカットし、じゃばらに畳む

天井から床までの高さに**切りしろ10cm(上下5cmずつ)**を足した長さで壁紙を切ります。切った壁紙は、のり面同士を合わせてじゃばら状に畳みます。のりが乾きにくくなり、壁に持ち上げたときも扱いやすくなります。まとめて切った分はビニールで包んでおきます。

1枚目を基準線に合わせて貼る

1枚目の曲がりは、最後の1枚までずっと響きます。壁紙屋本舗の手順では、貼り始めの位置から90cmのところに垂直な基準線を引き、壁紙の端をその線に合わせて貼ります。

天井側に5cmの余りを残して上端を合わせ、なでバケで上から下へ、中心から外側へなでて空気を抜きます。シワが寄ったら、無理に押しつぶさず一度めくって貼り直します。

天井際・床際の余りをカットする

竹ベラで天井と壁の境目にしっかり折り目をつけ、そこに地ベラを当てます。地ベラを壁側へ押しつけて壁紙が動かないように固定しながら、カッターで余りを切ります。床際(幅木の上)も同じ要領です。

カッターの刃は、切れ味が少しでも落ちたら折ります。刃が鈍いと壁紙が引っ張られて破れ、ギザギザの切り口になります。

2枚目以降を重ねて貼り、重ね切りする

2枚目は、1枚目の端に4cm程度重ねて貼ります。生のり付き壁紙の端には、のりが表面に付かないようにするためのテープ(フィルム)が付いているので、重ねる側のテープははがさずに重ねます。

重ねた部分の真ん中に地ベラを当て、カッターを壁に垂直に立てて、上下2枚を同時に切ります。上側の切れ端を取り除き、そっとめくって下側の切れ端をテープごと抜き取ったら、壁紙を戻してジョイントローラーで押さえます。2枚を同時に切ることで、切り口がぴったり合います。

コンセント・スイッチまわりを切り抜く

コンセントの上もいったんそのまま壁紙を貼り、指でプレートを付ける枠の位置を確かめます。枠の角から内側に向かって×字に切り込みを入れ、壁紙を浮かせてカッターを入れるようにすると、器具を傷つけにくくなります。

余った部分は枠の外周に沿って地ベラを当てて切り取ります。プレートより大きく切り抜くと隙間が見えてしまうので、少し小さめに切るのがコツです。切り口はプレートで隠れるので、多少の粗は気にしなくて大丈夫です。のりを拭いてからプレートを戻します。

のりを拭き取り、ジョイントコークで仕上げる

つなぎ目や天井際・床際にはみ出したのりは、固く絞ったスポンジで拭き取ります。残ったのりは乾くとテカりや黒ずみの原因になります。

最後に、廻り縁・幅木・部屋の入隅(壁と壁が接する角)にジョイントコークを細く入れ、濡らした指でならします。RESTAはティッシュより濡れた布で指を拭きながら作業するときれいに仕上がると案内しています。はがれ防止にもなるので、入隅は忘れずに入れておきます。

よくある失敗と対策

失敗主な原因対策
だんだん斜めになる1枚目を柱や入隅の線に合わせた(建物の角は垂直とは限らない)下げ振りや水平器で基準線を引き、1枚目をそれに合わせる
つなぎ目が開く重ね切りで下地まで切った、ローラーで押さえ忘れた2枚だけ切る力加減。開いた直後ならローラーをジグザグに動かして寄せる
切り口がギザギザカッターの刃が鈍い、地ベラが浮いている刃はこまめに折る。地ベラを壁側に押しつけて切る
表面に凸凹が浮き出る下地のパテ処理不足、裏紙の浮きを残した手でなでて確認。浮いた裏紙は切り取ってパテで平らに
乾いたらテカりやシミが出るのりの拭き残し貼るたびにスポンジで拭き取る。スポンジの水はこまめに替える
途中で壁紙が足りない予備なしで注文、柄合わせ分を計算していない1〜2割の予備を見込む。柄物はリピート分を足して計算する
空気が抜けない・シワ一気に貼ろうとした上から少しずつ貼り、シワは一度めくって貼り直す

失敗が起きやすいのは、手順の中でも1枚目の基準線と重ね切りです。最初の1枚だけは時間をかけて、垂直を確認してから次に進みましょう。

賃貸の場合は先に承諾を

賃貸住宅で壁紙を張り替えるのは、契約上「模様替」にあたるのが一般的で、貸主の書面による承諾が必要です。承諾なしに張り替えると、退去時に元に戻す費用を請求される可能性があります。

承諾が取れない場合は、弱粘着のシールタイプや「はがせるのり」で貼るタイプの壁紙が選択肢になります。どこまでがOKかは賃貸のDIYはどこまでOK?原状回復のルールでまとめています。

床も一緒に替えたい場合はクッションフロアの貼り方、ほかにどこまで自分でできるかはリフォームで自分でできること・できないことも参考にしてください。

こうなったら業者に頼む

  • 天井の張り替え(上を向いての作業で難易度が一段上がる。2人でも厳しいことが多い)
  • 階段・吹き抜けなど、脚立で安全に届かない高さがある
  • 古いクロスをはがしたら石膏ボードの紙までめくれた・広い範囲でカビが出ている
  • 雨漏りや結露で下地が湿っている・膨らんでいる(原因の修理が先)
  • 賃貸で退去時に元へ戻す必要がある(貸主の承諾が前提。業者手配になることが多い)

無理に続けて傷口を広げると、最初から頼むより高くつくことがあります。見積もりは2〜3社から取ると相場がつかめます。

よくある質問

古い壁紙の上から新しい壁紙を貼ってもいい?
生のり付き壁紙の販売店の手順では、古い壁紙の表面をはがし、残った薄い裏紙を下地にして貼るのが基本です。上から重ねると段差や浮きが出やすく、次に張り替えるときにはがしにくくなります。
生のり付き壁紙は届いてからどれくらいで貼る?
のりが乾いていくため、販売店は早めの施工を求めています。RESTAは出荷後2週間以内の使用を案内しています。作業日を決めてから注文しましょう。
のりが乾きかけてしまったら?
RESTAでは、生のりが乾きかけた場合は霧吹きで水をかけて使えると案内しています。完全に乾いたものは貼り付きが弱くなるので、保管はビニールで密閉します。
つなぎ目が開いてしまったら?
貼った直後なら、つなぎ目から離れた位置からローラーを斜めに当てて、ジグザグに動かしながら寄せていく方法がRESTAの手順で紹介されています。乾いた後の隙間はジョイントコークで目立たなくします。
賃貸でも張り替えていい?
壁紙の張り替えは貸主の書面による承諾が必要な「模様替」にあたるのが一般的です。承諾が取れない場合は、貼ってはがせるタイプの壁紙を検討しましょう。

参考にした資料

クレオンDIY編集部

住まいのDIYを「自分でやるか、頼むか」で判断できるように、メーカーの施工説明書や公的機関の情報をもとに記事を作っています。法令や製品仕様が変わったときは記事を更新し、更新日を明記しています。

※本記事は2026年9月28日時点の情報にもとづく一般的な解説です。作業はご自身の判断と責任で行い、製品の取扱説明書・施工説明書の指示を優先してください。電気・ガス・給水装置の工事など資格が必要な作業は、有資格者や指定業者に依頼してください。